【インタビュー】ツチヤサトシ様 (ツチヤエンターテインメント株式会社|代表取締役)

※当インタビューは音声でもお楽しみいただけます。

ー本日は、ツチヤエンターテインメント株式会社代表取締役、また一般社団法人日本メンズフラダンス協会の代表理事も務めていらっしゃる、ツチヤサトシさんにインタビューしたいと思っています。ツチヤさん、よろしくお願いいたします。

よろしくお願いします!

ーそれではツチヤさん、簡単に、今やっておられるお仕事など、自己紹介をしていただいてもよろしいでしょうか。

はい!はじめまして、ツチヤでございます。

私たちの仕事は、メンズフラダンス協会に関しては、日本で「男性もフラダンスをしていいんだよ」というのを広めている団体でございまして、ツチヤエンターテインメントは、そういったハワイアンダンサーを中心に、どんどんエンターテインメントの世界として、一流のスターを輩出していく、育成と、認知拡大をしている会社でございます。

ハワイとの馴れ初めは男性だけのフラダンスチーム

ーツチヤさんと言えば、私の中でのイメージは「ハワイ」なんですけれども、そもそもツチヤさんとハワイとの馴れ初めを教えていただけますか?

はい。これが意外というか、びっくりするくらいハワイとは接点がなくて。

もともと私はミュージシャンとして仕事をしてきたんですけど、なかなか鳴かず飛ばずというか。大手に所属はさせてもらっていたけれど、うまいこと立ち回れないつらい時期があって。

いざ自分が芸能事務所、プロダクションを作る時は、所属してくれているタレントにはそんな思いはさせないというつもりで、入ってくれるアーティストを探していたんですよね。

そんなときに、男だけのフラダンスチームと出会ったんですよ、日本人の。何だろう?と思って初めて見た時に、完全にアマチュアさんで、ステージも「素舞台」で、照明もギラギラしているとか全くない状況で踊りを披露していたんですけど。全員……11人かな?日本人のダンサーは。その全員が輝いて見えたんですよ。

もう、超楽しそうで。これを踊ったらいくらもらえるとかいう視点じゃなくて、とにかく自分が楽しんでいるのを、観てくれているお客さんと共有したいという純粋な気持ちで踊っていたのを見て、衝撃を受けたんですよ。

こちらはいつも日々どうやってお客さんを楽しませよう、照明はどうしよう、音はちゃんと届いているか、みたいなことを考えながら演奏していたのが、まるで中学生の時に初めて演奏した時のような、あの想いのまま、大人のおじさんたちが踊ってた、11人。すごい世界だなと思って。

ーだいたい年齢層は幾つくらいの方だったのですか?

あとあと聞いたら、40代の方々でしたね。10代、20代の若い方はいなくて。

ーメンズのシンクロナイズドスイミング(近年、アーティスティックスイミングに改称)なんかは映画にもなりましたね。

あっ、ウォーターボーイズ?

ーそうです。やっぱり若い男の子が出演していたので。メンズのフラダンスも、なんとなく、20代30代の方がキラキラした感じでやっているイメージがありましたが、40代以上の方々だったんですね。

そうです。私ずっとエンタメの業界にいるのに、全然知らなくて。

観に来ていたお客さんはほぼ女性だったんですけど、もう「ワー!キャー!ワー!キャー!」なんですよ。これはすごい世界だな、もっと広まったらいいのにな、というところから始まって、どんどん掘り下げていったら、勝手に会社を立ち上げていました。

ー勝手に(笑)。それだけ思いが伝わってきて、何かせずにはいられないという気持ちになられたのですね。

はい、すごく。相川七瀬もびっくりじゃないですか?

……??なんですか?

何でもないです。

ーそんな歌詞ありましたっけね。

ありましたよね(笑)。

ハワイの魅力とは?

ーでも、ハワイのことは好きになられたんですよね。YouTubeなどでもハワイの情報や、アクセサリーの由来などを話していらっしゃいましたが、現地には何回も行かれたりされたんですか?

はい、現地にも行っています。やっぱり日本人ってハワイが大好きで。私も子供の頃は、敢えて反発したいというか。みんなが好きなものを好きって言いたくない、みたいな。

ーわかります、そのお気持ち。

わかります?それがロックだ!みたいな、間違った反逆心みたいなものを持っていて。

でも、普遍的なものというか、みんなが好きな物には何か秘密やヒントがあるんだろうと思って、実際行ってみたりすると……ハワイ、行ったことあります?

ー私、ないんですよ。

ないですか。きっと、空港を降り立った瞬間に大好きになると思います。

ー行ってみたいです。

俺がそうだったんですよ。先入観とか持たず、何の情報も入れないで行ってみて。あの空気感……

ーもう空気感から好きになってしまうんですね。

まず空港を降りたらお花の甘ーい、いい香りがするんですよ。

ーお花の首飾りのイメージがあります。

はいはい。掛けてもらって。

ーほかに、他にハワイの魅力はありますか?

まず現地の方々のお人柄。楽しくハッピーというのを大事にしているような気がしていて。あとバスの運転手のおっちゃんも格好いいんですよ。向こうって電車がなくて、交通はだいたいタクシーかバスを観光客は使うんですけど、バス乗って、こっちも英語話したいんで、ドライバーに「Thank you」って降りる時に声を掛けたら、彼は黙ってこうやります(アロハのサイン)。

ー親指と小指を立てて、他は握って。

これ、音声でしたね。はい、手首を返すんです。

ー日本だと「もしもし」みたいなポーズですね。アロハにはいろんな意味があると聞いたことがあります。ご挨拶なんですよね。

そうそう、こんにちはでも、ありがとうっていう時でも、何でもこのポーズをすれば伝わります。

ー日本語がわりと通じると聞いたことがありますが、どうですか?

全然そんなことないです。免税店とかにはハイブリッドな店員さんがいるんですけど、地元のお店やキッチンカーで販売している人なんかは、全部英語じゃないと通じません。

ー訛りはありますか?

結構きれいな英語を話してくれると思います。私ちょっと留学していたことがあって、英語もハローぐらいは話せるんですけど(笑)、スペインとかフランスとかの方の英語の訛りはすごく難しくて聞き取れない。それに比べるともっと聞きやすいですね。

ー英語圏といってもいろいろありますけれども、ハワイはきれいな英語なんですね。

そうだと思います。ちゃんと聞き取れます。

あとね、これは英語を話そうとしている日本人に伝えたいんですけど、日本人ってけっこう文法をカンペキに学習してるので、優秀なんですよ。

でも現地の方とコミュニケーションが取れないのは、「え?」って聞き返されたときに、もう一回言えないというそのハートだけが問題なんです。

留学していて感じたんですけど、彼らも聞く準備ができていないから、シンプルに聞こえてないだけなんで、同じことをもう一回言ったら、絶対に伝わります。

ーでは、こちらの言うことが文法的に間違っていて聞き取れないから聞き返しているわけじゃなくて、日本人同士が「えっ?」と聞き返すのと同じような感覚なのですね。

はい、その通りです!ただやっぱり日本人は「えっ」て聞き返されちゃうと、自分の文法が違ってるから通じてないんだと思って、もう一回同じことが言えないという。

ーわかります。やっぱり自分の英語が伝わるんだろうか、しゃべれてるんだろうかと心配になるんですよね。

あと向こうの方々も、アジア人が自分の国の言葉を話そうとしているのが嬉しいのか、頑張って理解しようとしてくれるので、多少おぼつかない文法でも、伝えれば汲んでくれます。「ウォーター!」って言ったら「こいつ水飲みたそうだな」みたいな。

ー日本でも、片言の外国人の方に道を尋ねられたら一生懸命説明しようとするのと同じかもしれないです。

うん、うん。そうかもしれません。だからGoogle翻訳のような翻訳アプリを使わないで、頑張って伝えようとしています。

ーメンズフラダンスに関しては、「マツコの知らない世界」で取り上げられたということで、2022年5月オンエアとお伺いしていますけれども、出てみてどう思われましたか?

スタジオでは、マツコさんご本人とふたりでずっと話すんですけど、収録時間は1時間ちょっとあったんですよね。

でも、番組となると15分20分でまとめられちゃうので、私が話したところは本当にわずかなんですけれども、マツコさんにはしっかりプレゼンができたのかなと思っています。

自分を変えるきっかけとなった出会い

ーツチヤさんを拝見していて思うのが、いつも楽しそうというか、お顔立ちからしてそうなんですけど、ワクワクしているというか、人当たりのいい印象が伝わってくるのですが、ずっとその性格でいらっしゃるのですか?

ええと、全然そんなことないです(笑)。

ー昔は引っ込み思案とか、ちょっと暗かったとか、そういう感じだったんでしょうか。

今おっしゃったこと全要素が入った性分でした。

エピソードで言うと、私、自分の結婚式でスピーチをさせてもらったんですけど、母親父親どちらからも「あなたがこんなに話せるようになって私たちは嬉しい」って言われました。

あと私、高校出てすぐプロのミュージシャンに弟子入りしてカバン持ちをしていた経験があるんですけど、そこのスタジオのスタッフの方から「おまえ外国人だと思ってた」と言われました。なぜかっていうと、「全く話してないから、日本語を理解してないんだと思ってた」と。そのくらい、人と全く話せなかったんですよ。

ー変わられたのは、ハワイに行かれたからとか、フラダンスに触れたからとか、そういうきっかけじゃないんですね。

じゃないんです。

ーてっきり、ハワイの風土、現地のオープンマインドに触れられて、そういう性格になられたのかと思ったのですが違うのですね。

違うんです。二十歳のときから、ソニーミュージックという大きい事務所に所属していたんですけど、奥田民生さんのマネージャーさんとかが私の周りにいてくれて。

そのうちのひとりのお人柄が素晴らしくて、そのまま自分でトレースしてみようと思ったのが変わったキッカケなんですけど。

そのマネージャーさんって、とにかく日々楽しく、ハッピーに過ごしているんですよ。おそらく自分ひとりの時は「ずーん…」ってなってるかもしれないんですけど、誰かがいるときは、とにかく場を明るくさせるということに注力していて、もう「いつでも」盛り上げるんですよ。

ーその方をロールモデルにされたのですね。

そうです。その方は、「とにかくおまえがいると楽しいからいてくれ」と言われて、あのスピッツさんのレコーディングとかに、役職とかなく、ただ「いる」っていうだけのために呼ばれたりしているんですよ。

ー本当のムードメーカーじゃないですか。そんな方、いらっしゃるんですね。

そうなんです、それを見たときに「暗い顔をしてる人がひとり場にいるだけで雰囲気壊れちゃうよね」っていうのを自覚して、ちょっとずつ変えようって思ってたのがきっかけです。

ただ、同じ現場にその人もいるので、真似しているのを見られるのが嫌で、その人がいない現場で試してみたんです。

ーなかなかできることではないと思います。まず、自覚して変わろうと思っても、そこからどう動いたらいいのかということを考えますし、「こういう人になりたい」と思う人がいても、素直にトレースすることはなかなかできないと思うので。ツチヤさんはもともと素直な方だったんだなと今思いました。

そうかもしれませんね。中学生の時に楽器、ドラムに出会って始めた時に、最初の師匠が、「本人に合っているか、適職かどうかは10年やってみればわかる」って。「10年とりあえずやってみ」と言われたのがヒントというか、ベースにあるバイブル的言葉というか。

ー今、何年目ですか?

45歳になるので、楽器はもう20年以上の付き合いです。

ー今のお仕事は……

まだ6期目です。10年続けない限りは辞めないと思ってます。

ーでも6年続けられるだけでも本当に大変なことだと思うので、ここからあと4年はこのまま走り続けて行かれると思っています。ツチヤさんについては、本当にいろんなことをご紹介したいのですが、いくら時間があっても足りません。

人と人とをお繋ぎするということにフォーカスしたい

ー今回のインタビュー企画で一番お伺いしたいこと、それがツチヤさんの2023年の抱負ということなんですけれども。なにか今年やってみたい、目標にしたいと思っておられることはありますか?

3つあるんですけど、1個にします!

人生の大テーマだと自分で思っているんですが、「人の役に立つ」と決めて動いていまして。

何事を続けるにしても、自分で決めるとできるというか。決めたことだからやれるというか。じゃあダイエットしよう、今日から筋トレ始めるぞって、決めたら続けられちゃうんで、何でも決めるようにしてるんですね。

決まるとやらなきゃいけないから、決めるまで渋るんですけど。「人の役に立つ」っていうのを大テーマに決めたんで、絶対そこはブラさないようにしていて。

今年2023年は、この3年間の今の世の中の動きで、人との関わりが薄くなっちゃってるんじゃないかなというところもあるので、人と人とをお繋ぎするということにフォーカスして動いていこうかなと思っていました。

ー残り2つは言わなくて大丈夫ですか?

大丈夫です。ここは1本に絞って。言うとやんなきゃいけなくなるから、言わないようにしておきます(笑)。

ー自分で言ったことを「有言実行」ってよく言いますが、形だけ、言葉だけになってしまう人って多いと思うんですけれども、ツチヤさんのように「自分の言ったことは絶対にやる」という固い決意がある方が代表でいらっしゃる会社っていうのはすごいなと思いました。

ありがとうございます。

ーツチヤさんはYouTubeもTwitterもやっておられるので、本当に多芸というか多趣味というか、いろんな引き出しをお持ちの方だと思っております。

ですので、ぜひこれを聴いておられる方、チェックしてご覧になると良いかと思います。

というわけで今日は、ツチヤエンターテインメント株式会社代表取締役であり、一般社団法人日本メンズフラダンス協会の代表理事も務められていらっしゃる、ツチヤサトシさんをご紹介いたしました。ツチヤさん、ありがとうございました。

ありがとうございました!

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